
コラム「点睛」 印刷新報・2025年8月7日付
東京・板橋にある箔押し加工のC社を訪問した。京都の知合いのTさんが以前見積りを頼んだら、「30秒で返ってきた!」と怖さまで感じ、仕事は見事。上京した機会に誘いを受け、一緒にお邪魔した▼その見積りを返した営業のAさんと、社長が応対してくれた。Aさんは二十代前半の頃、「箔押しへの興味はあまりなかった」のだが、「箔押しの匠」と呼ばれたSさん(故人)に会ってみたいという思いだけで面接し、縁あって入社した。深夜に帰宅しようが、「感覚を身につける」ために見積りの練習を毎日いくつもこなした。2005年から続けているブログの人気も高く、ブランドづくりと受注に貢献している▼ただし、他社で出来ない難しく面倒な仕事が、同社を頼って集まってくる。リピートはほとんどない。それを、5人の職人が残業や休日出勤も厭わず黙々とこなす。うち2人は若い女性だ。Sさんの門下生たちである。今年4月に職人1人を採用したところ、180人の応募があった▼お客の喜びは我が喜び―こんな会社がまだ現代にあったのか。別世界に迷い込んだような不思議な思いをした。 (銀河) |
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