
コラム「点睛」 印刷新報・2025年6月12日付
恥ずかしながら、最近になってフランスのアレクシ・ド・トクヴィルという政治思想家を知った。1805年の生まれだから200年ほど前に活躍した人物だ。詳述はとてもできないが、『アメリカのデモクラシー』等の著作で知られ、近代民主主義思想に大きな影響を与えた▼トクヴィルは、民主政治におけるメディアの役割を重視した。紹介してくれた人の受け売りではあるが、「個人が自分で知識・情報を手に入れられるようになると、権威が下がる」、「だが、自分で考え、判断するのは難しいので、他人が何を考えるかが気になりだす。そして、多数派の意見になびく」―そんな発言を当時からしていた。驚くべきことだ▼彼は多数派の世論がリードする民主主義の腐敗を指摘したが、まさにインターネット社会の中で政治やマスメディアの権威が堕ち、代わってSNS上の無責任な情報に操作される今日を予言しているかのようだ▼AIの活用もとどまるところを知らない。個人が手に入れる情報量が増えるほど、思考停止に陥る危険はないか。それこそ一人ひとりが自分の責任で考えなければならない。(銀河) |
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