2026年10月13日
スズセイ印刷/ハイデルベルグ・ジャパン
バウアー社長に冊子進呈 ものづくりの想いを共有

浜松市のスズセイ印刷をハイデルベルグ・ジャパンのヨルグ・バウアー社長が訪れ、代表の鈴木孝次朗さんから鈴木さん自身と工場の歩みを綴った冊子『わたしの仕事場』を受け取った。街の印刷屋として90年以上の歴史を持つスズセイ印刷では、今もハイデルベルグの凸版印刷機・プラテンやQMオフセット印刷機、GTPが現役で活躍している。一方、ハイデルベルグ・ジャパンは今年創業100周年を迎えており、互いが長く歩んできた〝ものづくり〟への想いを振り返る交流の機会となった。
『わたしの仕事場』の制作は、たまたま近隣に製本所「村上製本」を開いたデザイナーの村上亜沙美さんが画家のマメイケダさんとワークショップの一環でスズセイ印刷を訪れたことに端を発する。
長年使い込まれた機械や工具、資材が隙間なく並び、職人の熱気を感じさせる現場に感動したマメさんがその風景をスケッチ。説明が不要なほど精確で味わい深いその絵に感激した鈴木さんがコメントを書き入れた。その後、このやりとりはマメさんが浜松を訪れるたびに重ねられた。
溜まった絵に、村上さんが冊子にすることを提案。昨年末に、活版印刷からオフセット印刷、DTPに至る仕事場のこと、オフセット印刷の研修でドイツ行ったことなどの本文が整えられた。そして長年使ってきた機械の調子や素材の個性に向き合いながら、製版、印刷、断裁、製本まで、すべてをスズセイ印刷の仕事場内で行った冊子が完成した。製本は手製本で、鈴木さんが考案したノドが180度開く”孝次朗製本”を採用。背に和紙と「柔らかくしっかりつくような硬さ」に調合した糊を用いている。
本文にはハイデルベルグ社製の機械について多く触れていることから、「ぜひ同社の関係者にも読んでもらいたい」と英語の対訳も併記した。村上さんは以前から交流のあった浜松市のペーパークラフトイトウの伊藤大介社長に相談。伊藤社長はハイデル・フォーラム21のポストプレス研究会の運営幹事を務めており、9月11日にバウアー社長の訪問が実現した。
当日は鈴木さん、バウアー社長のほか関係者が機械を囲み、スズセイ印刷がこれまで手がけてきた仕事や機械メンテナンスの様子などを熱く語り合った。とくにプラテン機は鈴木さんが25歳のときに出合い、60年以上を伴走している相棒ともいえる機械。印刷用と抜きや筋入れの加工用の2台を所有している。実機を動かす鈴木さんの様子に、さまざまな工夫をしながら仕事を続けてきた職人魂を感じさせる場面もあった。
バウアー社長は「古いハイデルベルグ機のユーザーは今でもそれなりにいるが、自分が買った機械を自分で50年以上使っているユーザーは世界的にみても少ないのではないか。『こんなに大切に私たちの機械を使ってくれている人がいる』ということが本当に素晴らしいし、とても嬉しい」と語った。
スズセイ印刷は第一線の営業は終了し、仕事場は鈴木さんが古くから付き合いのある仕事のほかは、好きな製本をはじめとしたものづくりの研究に没頭する空間になっている。さまざまな人の縁が縁を呼び、実現したバウアー社長自らの訪問は、87歳の今も探求を続ける鈴木さんにとって、かけがえのない宝物となった。
2026年10月5日
TOKYO PACK 2027
出展者募集開始 会期を1日短縮、展示・商談の密度高める

日本包装機械工業会(伊早坂 嗣会長、JPMA)は、「JAPAN PACK 2027 日本包装産業展」の出展募集を開始した。会期は2027年10月6~8日の3日間、東京ビッグサイト東2~6ホールで開催する。前回展の4日間から1日短縮する一方、会場面積は約4万2,710㎡と前回比約2,300㎡拡大。出展者の負担軽減と来場者の効率的な情報収集・商談を両立し、展示・商談の密度を高める。
9月8日に開催したオンライン説明会では、JAPAN PACK 2027実行委員会の安達拓洋実行委員長が「包装を軸に技術や産業の垣根を超え、新たな価値の創出を目指す」とあいさつ。包装は「包む」だけでなく、生産性向上や品質向上、資源循環など、持続可能な社会を支える役割を担っていると強調した。今回は前回に続き「BEYOND グリーンで包む スマートで創る」をキャッチコピーに「DX」「包装×GX」を中核に据える。
前回展は563社・団体、2073小間が出展し、締切前に募集が終了した。今回は「DX」「GX」「CO‐CREATION」「GLOBAL」「INDUSTRY」の5つをコンセプトに掲げ、これらを掛け合わせた「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」の未来を提示する。CLOMAによるパビリオンのほか、スタートアップ企業や大学・研究機関との交流を促す「次世代共創エリア」なども設ける。
また、包装資材・容器分野や印刷・包材加工分野からの出展が増加していることにも触れ、包装産業の裾野が広がっていることを示した。高精細・デジタル印刷や機能性包材加工など、印刷関連技術の参画も期待される。
出展募集は、早期募集が9月8日~12月31日、一般募集が2027年1月1日~3月31日。早期申込には1小間当たり1万円の割引や、JPMAのWeb版機関誌への製品紹介記事掲載などの特典を用意する(https://www.japanpack.jp/)。
2026年10月1日
パラシュート
PNS LABEL Edition発売 ラベル印刷の「担当者しかわからない」をなくす

パラシュート(兵藤伊織社長、東京都世田谷区)は、ラベル印刷会社向け業務管理システム「Print Navigator System LABEL edition(PNS LABEL edition)」の販売を開始した。本ソフトは、「ラベル印刷業務をまるごと可視化する」ことをコンセプトとした、ラベル印刷会社向けの業務管理システム。既存のPNSが持つ「Web受注伝票」「納期管理」「実績管理」の基本機能に加え、ラベル印刷業務に必要となる「フロント画面」「受注基本情報」「刃型一覧」「特色配合一覧」「その他マスター一覧」の5つの管理機能が追加されている。得意先、仕様、数量、納期などの案件情報に加え、刃型や特色インクの配合情報、材料・仕上げに関する各種情報を一元管理することで、受注から製造、再注文までのラベル印刷業務を可視化し、情報検索や社内共有の効率化を支援する。
ラベル印刷では、同じ製品を繰り返し製造する「再注文」が多い一方、案件ごとに得意先情報、サイズ、数量、材料、刃型、特色、仕上げ条件など、多くの情報を正確に管理する必要がある。特に案件数や小ロット受注が増えていくと、紙の受注伝票、エクセル、といった担当者ごとの管理方法に情報が分散し、「過去案件を探すのに時間がかかる」「どの刃型を使用したか分からない」「特色の配合情報が担当者に依存する」「再注文時に過去の仕様確認が必要になる」「案件の進捗状況を社内で共有しにくい」といった課題が発生しやすくなる。PNS LABEL editionでは、ラベル印刷に必要な情報を案件単位で整理・蓄積し、受注から製造、再注文までをつなぐことで、「人が覚えている業務」から「会社に情報が残る業務」へ転換する。
既存MISと併用することで小口案件を効率化
PNS LABEL editionの大きな特長の一つは、すでに導入されているMISを置き換える必要がないことだ。既存MISを基幹システムとして活用しながら、PNS LABEL editionをサブシステムとして併用することで、ネット受注やデジタル印刷などの小口案件を効率的に管理する運用にも対応している。また、PNS LABEL editionで集計した売上データをCSVで既存MISと連携することで、MIS上で経営数値を一元的に把握する運用もできる。現在の業務環境を活かしながら、必要な領域から段階的にデジタル化を進めることができる。販売価格は税別198万円(見積算出ロジックについて別途カスタマイズ費用が発生することがある。別途、保守サポート費用およびサーバー利用料が発生する)。
主な特長
① ラベル案件の基本情報を一元管理
得意先・仕様・数量・納期など、ラベル案件に必要となる基本情報をシステム上で一元管理。主要情報をフロント画面に集約することで、案件検索や進捗確認などの日常的な管理業務を効率化する。
②
「刃型一覧」で型情報をデータベース化
ラベル製造で使用する刃型を登録し、過去の刃型を検索することができる既存刃型を確認しやすくすることで、型の探し間違いや不要な重複作成の防止をサポート。再注文時にも過去の情報を活用しやすい環境を構築する。
③
特色インクの配合情報を管理
特色インクの配合情報を一覧で管理することができる。過去に使用した特色情報を蓄積することで、再注文時の色再現や担当者間の情報共有をサポートし、属人的になりやすい情報を会社のデータとして残すことができる。
④
材料・仕上げなどの各種マスターを整理
ラベル製造に必要となる材料、仕上げ、関連項目などをマスターとして整理できる。案件ごとに必要な情報を標準化することで、営業・制作・製造それぞれの担当者が同じ情報を確認できる業務環境を整える。
⑤
Web受注・納期・実績までを一つのシステムで管理
既存PNSの「Web受注伝票」「納期管理」「実績管理」もそのまま利用できる。受注情報をデータとして蓄積し、過去伝票の検索・複製、工程の見える化、担当者別の売上実績確認まで、案件情報を一つの流れとして管理できる。
ラベル業務に必要なところからDX
ラベル印刷会社における業務システムの導入では、既存システムとの連携や現場の運用変更が大きな負担となることがある。同社では、すべての業務を一度に変更するのではなく、既存のMISや製造環境を活かしながら、「受注」「刃型」「特色」「納期」「実績」といったラベル印刷特有の業務からデジタル化することが重要だとする。特に今後増加が見込まれるネット受注、小ロット、多品種、デジタル印刷案件では、印刷機そのものの生産能力だけではなく、受注から製造までの情報をいかに効率良く管理するかポイントになる。
2026年9月30日
モリサワ
「ブランド戦略・PR EXPO」に出展
テーマは「フォントは企業・ブランドの『声』だ。」

モリサワ(森澤彰彦社長)は10月7~9日、東京ビッグサイト南展示棟で開かれる「ブランド戦略・PR EXPO(マーケティングWeek)」に出展する。ブースはA13-31。
「フォントは企業・ブランドの『声』だ。」をテーマに、リブランディングや多言語展開、地域発信といった多様な現場での活用事例を紹介する。また、パッケージやWeb、広告などにおいて、フォントによって「ブランドの印象や訴求力」がどう変化するか実物を通じて体験できるほか、自社に最適なフォント選定やライセンス運用に関する疑問にも、個別相談に応じる。
展示では、フォントサブスクリプションサービス「Morisawa
Fonts」をはじめ、「Morisawa Fonts Webフォント」や企業や製品・サービスなどのイメージに合わせて制作する「オリジナルフォント」を紹介。顧客の課題や目的に応じたフォントソリューションを提案する。
また、当日ブースでアンケート回答者に「Morisawa
Fonts書体見本帳2025‐2026」(冊子版)を贈呈(予定数に達し次第、配布終了)する。
2026年9月18日
リコー
インクジェット事業の成長加速に向け、厚木事業所に新棟を建設
リコー(大山 晃社長)は、インクジェット事業のさらなる成長と、高品質なインクジェットヘッドの安定供給体制の強化に向けて、厚木事業所(神奈川県厚木市)敷地内に新棟を建設する。新棟は2026年11月の着工、2028年度上期の竣工を予定している。
本新棟は、インクジェット事業を支える中核生産拠点として位置づけ、インクジェットヘッドの生産・供給能力を強化する。さらに、これまで培ってきた超精密加工技術や品質づくりのノウハウをデータとして蓄積・活用し、自動化技術やAI、デジタルマニュファクチャリング(デジタル技術やIoT・AIを駆使して製造現場やオフィスのデータを取得・蓄積・分析し、生産性と働き方の変革や新たな付加価値を創出する取り組み)と融合することで、高品質・高生産性・高い供給安定性を兼ね備えた次世代のモノづくり基盤を構築する。
今回の新棟建設では、これまで厚木事業所内の複数の建物に分かれていたモノづくり機能を一棟に集約。同社が長年培ってきた超精密なモノづくり技術と品質づくりの力を強みに、さまざまな種類の製品を柔軟につくることができる自動化ラインやロボットを導入し、高い生産性と柔軟性を備えたモノづくりを実現する。また、熟練技能者が培ってきた経験やノウハウをデータとして蓄積し、AIを活用して生産条件や品質の判断に生かすことで、熟練の技を次世代へ継承するとともに、安定した品質を再現できるモノづくりへと進化させる。さらに、生産設備、品質、物流などの情報をデジタルでつなぎ、自動搬送なども活用することで、工場内のモノと情報の流れを最適化し、需要の変化にも柔軟に対応しながら、高品質な製品を迅速かつ安定して供給できる生産体制を構築する。
同社は、新棟を核としてインクジェットヘッドの安定供給力とモノづくり競争力を高め、インクジェット事業のさらなる成長を加速させ、AI、デジタル技術、自動化を活用した生産技術を確立し、そこで得たノウハウをグループ全体へ展開することで、超精密モノづくりの競争力を次世代へ継承・進化させていく。
2026年9月16日
富士フイルムビジネスイノベーション
デジタル印刷作品を評価するコンテスト
「Innovation Print Award 2026」の入賞作品を発表

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、国内外のデジタル印刷作品を評価するコンテスト「Innovation Print Awards(イノベーション・プリント・アワード、以下、IPA)」の2026年度入賞作品を発表した。同社が主催する「IPA」は、富士フイルムグループのデジタル印刷機器で制作された印刷物を応募対象として、グローバルから作品を募集する「IPA2026 グローバル」と、日本とアジア・パシフィック地域に限定して募集する「IPA2026 Asia-Pacific & Japan(以下、IPA2026 APJ)」の2つのプログラムを開催している。
今回は29の国と地域から過去最多となる552件の応募があり、「Revoria Press」シリーズをはじめとするデジタル印刷機器の導入拡大や、印刷会社による創造性・技術力の発信の場としての活用拡大などを背景に、応募数は前年比約2倍となった。その中で日本からの作品も高く評価され、入賞81作品のうち6作品が選ばれた。
「IPA2026グローバル」には、アメリカ、カナダ、メキシコ、スペイン、イタリアをはじめ、インドや南アフリカなどを含む29の国・地域 から応募があり、42作品が入賞した。また、「IPA2026 APJ」には、日本とアジア・パシフィックの13の国・地域から応募があり、39作品が入賞している。
いずれのプログラムにも共通する傾向として、新商品「Revoria Press PC2120」のグリーントナーをはじめとする特殊トナーを活用した鮮やかな色彩や、用紙ごとのさまざまな質感を活かしたデザインなど、創造性豊かで付加価値の高い作品が前年にも増して多く寄せられた。特にパッケージやダイレクトメールなどの部門では、これらの特長を活かした作品が目立った。
なお、入賞作品および応募作品は、「グラフィックコミュニケーション東京」をはじめとするショウルーム、および各国/地域で開催されるイベントで展示される予定。
日本からの入賞作品は、以下の通り。
IPA2026 グローバル
芸術作品 第1位
株式会社スバルグラフィック(東京都)
作品名:青龍&翠龍
IPA2026 APJ
サステナビリティ 第1位
奥村印刷株式会社(東京都)
作品名: 食器に変形する驚異の箱「beakx(ビークス)」
サステナビリティ 第2位
三浦工業株式会社(愛媛県)
作品名:ほっとハートアートカレンダー
特殊色の活用 第1位
文唱堂印刷株式会社(東京都)
作品名:Club50 (ZINE)
技術革新 第1位
有限会社笹尾印刷所(福井県)
作品名:漆喰和紙『銀雪』を用いた超消臭シート
ビジネス効果 第1位
株式会社千野米穀店(北海道)
作品名:コメとコメ
2026年9月15日
モリサワ 2026年度新書体35ファミリーを追加
写研フォント21ファミリーなど10月14日提供開始

モリサワ(森澤彰彦社長)は、フォントサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」の2026年度新書体として、写研フォント21ファミリーを含む35ファミリーを10月14日14時から提供する。
写研とのOpenTypeフォント開発プロジェクトからは、石井茂吉氏のデザインをベースにしたオールドスタイルの丸ゴシック体「石井丸ゴシック」、伝統的な筆のニュアンスを持つ明朝体「本蘭明朝」を「改刻フォント」として追加。また、写研のアウトラインデータを基に仕様を整えた「写研クラシックス」には、「淡古印」や切り絵風の「ソラーレ」など17ファミリーを加える。「ゴナ」「ナール」には新ウエイトも追加する。
このほか、新書体として12ファミリーを追加。欅シリーズには「欅丸ゴシック
Oldstyle」を加えるほか、「ゆらら丸ゴ」「くらもち銘石」「くろふね銘石」「タカピーク」「すすぐろ」「飛泉」などをラインアップする。さらに欧文書体「Othoro Pro」や、ハングル、簡体字、繁体字などに対応する多言語書体4ファミリーも追加し、フォントライブラリを拡充する。
2026年9月10日
日印産連 「9月印刷の月」記念行事に400名
「価値創造産業」として存在感を発信へ

一般社団法人日本印刷産業連合会(大橋輝臣会長)は9月9日、2026年「9月印刷の月」講演会・記念式典・懇親会を東京・千代田区のホテルニューオータニで開き、全国から400名が参加した。
講演会では、小説家の今村翔吾氏が「印刷が支える本の未来を考える」をテーマに講演した。作品を生み出す作家である一方、本を読者に届ける書店オーナーでもあるという二つの立場から、紙の本が持つ価値と可能性について熱く語り、印刷業界にエールを送った。
記念式典では、大橋会長があいさつで「印刷の力で社会を支える」をテーマに式典を開催するにあたり関係者へ感謝を表し、「本式典が印刷産業の社会的役割を改めて見つめ直し、未来への歩みを共有する機会となれば幸いである」と述べた。
さらに、「印刷産業が社会を支えるインフラとしての役割を担い、顧客企業の変革を支えるとともに、地域経済を支える基盤産業であるという原点を、再度確認したい」と強調した。
そのうえで、日印産連の今後の活動について、「さまざまな発信を通じて、社会の持続可能な成長を支える価値創造産業としての印刷産業の重要性を社会に示していく」と述べ、業界関係者に一層の協力を呼びかけた。
日印産連表彰では、印刷功労賞10名、印刷振興賞15名、特別賞1団体を表彰した。
2026年9月9日
SCREEN GA All in Print China 2026に出展

SCREENグラフィックソリューションズ(以下、SCREEN GA)の海外子会社であるSCREEN GA Shanghai Co., Ltd.は、2026年10月12日(月)から10月16日(金)まで中国・上海で開催 される「All in Print China 2026」に出展する。
中国では近年、価格競争のさらなる激化や環境対応への意識の高まりから、自動化・効率化・付加価値をより向上させるソリューションの展開が期待されている。SCREENブースでは、拡大が続く中国・アジア市場に向け、オフセット印刷からデジタル印刷までを網羅し、自動化・効率化・付加価値向上を実現するSCREENのトータルソリューションを提案する。
主な出展内容
商業・出版印刷ソリューション
革新を促す新製品として、高速連帳インクジェットデジタル印刷機のフラッグシップモ
デル「Truepress JET 560HDX」の最新テクノロジーを紹介。新開発の循環型インクジェットヘッドと、表面処理を施すことなくオフセットコート紙への印刷が可能な高濃度インク、アップタイムを最大化する新開発の乾燥機能を組み合わせることで、より高精細かつ高濃度な印刷品質、速い印刷速度、迅速な印刷立ち上げを実現する。
また、印刷工程において必須となる調整作業では、インライン測色機の活用により、用紙ごとに最適なプロファイルを自動作成。当社が誇る安定的な稼働を維持しながら、さらなる生産性の向上とロスの削減を行い、サステナブルな社会を実現する各種ソリューションを提案する。
さらに、枚葉インクジェット印刷機「Truepress JET S320」もサンプルで紹介。在庫を極力削減するために、小ロットのオンデマンドブックソリューションなど、必要なときに必要な部数だけを印刷する最適生産ソリューションを提案する。
併せて、アジア市場を中心に多くの販売実績を誇る8ページサイズCTP「PlateRite 8600Mシリーズ」の新製品である「PlateRite 8600MⅢ」を実機展示。データ入稿・製版から印刷までの工程を支えるSCREEN GAだからこそ可能な、印刷仕様や部数に応じた、アナログ印刷機とデジタル印刷機のハイブリッドソリューションを紹介する。
ラベル・パッケージ印刷ソリューション
新開発のデジタルプライマーユニットを搭載したラベル向けUVインクジェット印刷機「Truepress LABEL 350UV SAI S」を実演展示。当社が誇る高い印刷稼働率と優れた操作性を維持しながら、新開発の独自のプライマーインクにより、さらなる印刷品質と印刷耐久性の向上を実現。欧州における多様な化学物質規制に対応する高色域インクと併せ、環境に配慮した効率的な印刷ソリューションを紹介。
また、CGS ORIS社のカラーマネジメント技術を生かした協業ソリューションも出展。多様な機器による安定した色再現を可能にすることで、より効率的な印刷工程の構築を提案する。
SCREEN GAは、印刷市場が求める効率性・環境対応・付加価値の向上に応えるため、インクジェット印刷技術を駆使したソリューションを創造し、環境負荷低減を実現しながら、高生産性かつ高品質な印刷ソリューションを提案する。
2026年9月3日付 印刷新報 より
行動を促すMUDの時代へ MUD協会浦久保理事長が講演

全日本印刷工業組合連合会・日本洋紙板紙卸商業組合が主催した「ペーパーサミットジャパン2026」(7月24日・25日、東京都立産業貿易センター浜松町館)では、紙の価値や新たな可能性を伝えるとともに、同時開催した「MUDフェア2026」を通じて、メディア・ユニバーサルデザインの意義と印刷業界の取組みについて紹介した。
また、7月24日のトークセッションでは、NPO法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会(以下、MUD協会)の浦久保康裕理事長が「新しいMUDが描く誰一人取り残さない未来」と題して講演し、約120名が聴講した。浦久保氏は、高齢者・子ども・障害者・外国人など、誰にでもわかりやすく伝えるだけでなく、実際に人々の行動を変える「日常へのMUDの実装」が今後重要になることを訴えた。
■行動設計の工夫ですべての人の社会参加を
浦久保氏が代表を務めるMUD協会は、2008年1月に設立された。MUDアドバイザー検定の実施、MUD製品認証制度の運営、MUDシミュレーションツールの提供、全印工連が主催するMUDコンペティションへの協力など、幅広い活動を展開している。
現在、約7,000名のMUDアドバイザー資格取得者がいるが、近年、メディア業界以外の取得者が増えている。浦久保氏は、2024年4月に施行された改正障害者差別解消法がきっかけとして大きいという。改正法では、事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化された。また、教育分野においては、発達障害を抱える子どもたちの増加が大きな課題となっている。
浦久保氏は「健康に良くないとわかっていても改められない」「災害時の避難所マップは見ていても逃げない」などを例に、「知識はある、でもやらない。これが日本の課題としてある。どう伝えるかだけでなく、行動変容を起こすことをやっていかないといけない」と指摘した。
行動変容につながらない原因の一つに挙げたのは、すべての人の日常に情報があふれかえる状況の中で、直感的に個々の情報から離脱し、判断を止めてしまうこと。さらに、認知能力が弱っている情報弱者、すぐに理解をあきらめがちな(感情障壁を持つ)発達障害者などは、大事な情報に接していてもそれを受け取ることができない。
これらを解決するために何ができるか、MUD協会でも議論を深めている。浦久保氏は、情報を発信する側に、情報設計や動線設計、行動設計ができていないことも課題として挙げた。
たとえば、行政からの情報が長文で項目が多いと見てもらえないことがある。文章の要約、選択肢の絞り込み、重要な部分の拡大、多色化などの改善により、熊本市の給付金申請ではコールセン
ターへの問合せが40%減、大阪市の納税通知書では問合せが減ったことで人件費が20%減になるなど、コスト削減、トラブル減少、税収増などにつながっている。
加えて、行動を起こしてもらうには、色づかいやゲームの要素(ゲーミフィケーション)などを取り入れた感覚的アプローチが重要になる。視覚や触覚の刺激、達成感、他者とのつながりを得ら
れる設計にすると、人は楽しみながら取り組むことができる。
浦久保氏は、過去のMUDコンペティションの受賞作品を紹介しながら、行動を促す各作品のアイデア、仕掛け、作り方について説明。第20回を迎える同コンペへの応募も呼びかけた。
セミナーのまとめでは、「従来『わかりやすく』に重点を置いてきたMUDは、『動いてもらう』ことを目的に進化している。動けるから社会参加ができる。発達障害の人を含め、さまざまな特性を持ったすべての人が対象になるのが次のMUDだ。命を守ることにつながるなど、すぐにやらなければいけないMUDの取組みも多い。印刷業界として考えていくべきだ」と述べた。
2026年9月3日
SCREEN GA PRINTING United Expo 2026に出展

SCREENグラフィックソリューションズ(以下、SCREEN GA)の海外子会社であるSCREEN GP Americas, LLCは、2026年9月23日(水)から9月25日(金)まで米国・ラスベガスで開かれる「PRINTING United Expo 2026」に出展。商業印刷市場に向けたソリューションを紹介する(ブース・N6143)。
近年、社会のデジタル化やネットワーク化の進展に伴い、デジタルメディア上には膨大な情報があふれ、本当に必要な情報が届きにくくなっているため、紙メディアを活用したコミュニケーションの価値があらためて注目されている。
デジタルメディアと紙メディアを組み合わせたマーケティング活動では、一人一人の顧客に合わせたパーソナライズ印刷によるダイレクトメールが効果的であり、さらに現在では、高品質な印刷物による差別化が可能な市場環境であることから、より付加価値の高い印刷物への需要も高まっている。
その中で、印刷業界では、高品質と高生産性を両立しながら、多様なニーズに対応できる生産システムやワークフローが求められている。また、在庫の廃棄を前提とした従来型の生産方式から必要な部数だけを生産するオンデマンド型への移行や、より一層の短納期化への対応も課題となっている。
SCREEN GAは、こうした市場ニーズに応えるため、革新的なインクジェット技術や統合ワークフロー、高度なカラーマネジメント技術を通じて、高品質かつ効率的な印刷ソリューションを提供している。
ブースでは、高速連帳インクジェット印刷機のフラッグシップモデル「Truepress JET 560HDX」を展示するとともに、商業印刷、出版印刷、トランザクション印刷向けの多彩なサンプルを紹介する。
また、カラーマネジメントソリューションを専門とする当社グループ会社・CGS ORIS社の製品紹介やデモンストレーションを通じて、「Truepress JETシリーズ」の高い印刷品質を実現するソリューションも併せて紹介。
さらに、Müller Martini社およびTecnau社との協業・連携による、後加工を施したサンプルも展示する。
2026年9月3日
パラシュート ロール紙対応UV糊貼合機「YHD-500」を販売開始

パラシュート(兵藤伊織社長、東京都世田谷区)は、アクリルグッズ・キャラクターグッズなどの製造工程における生産性向上と省人化を目的とした、UV糊貼り合わせ機
「YHD-500」 の販売を開始した。
YHD-500は、印刷物とアクリル素材をUV糊によって貼り合わせる工程に加え、ロール紙形態の印刷物を活用した生産に対応した貼り合わせ機となる。さらに、用途を切り替えることで、アクリル貼り合わせ後の表面に和紙アプリケーションを貼り付ける工程にも対応する。
なお、ロール紙を使用する生産モードと、アプリケーションシートを貼り付ける生産モードは、同時使用できず、製造する商品・工程に応じていずれかを選択する。
これまでシート単位で行われることの多かったアクリル貼り合わせ工程を、より連続的な生産工程へ発展させることで、印刷会社やグッズ製造会社における量産性向上・作業負担軽減・国内生産体制の強化を支援する。
有効接着面積は縦460㎜×横640㎜で、CNC制御サーボモーターによるプラットフォーム駆動、自動接着剤ディスペンサー、395㎚対応LED-UVシステムなどを搭載している。
主な特長
・ロール紙を活用した生産に対応
印刷物をロール形態で使用することで、シート単位とは異なる連続的なアクリル貼り合わせ生産を可能にする。
・和紙アプリケーション貼付に対応
用途を切り替えることで、和紙アプリケーションを貼り付ける工程にも活用できる。
・貼り合わせから後工程までの自動化
貼り合わせ後の自動フィルム貼り・自動カット機構を備え、後工程まで含めた自動化を想定したモデル。
・高精度な貼り合わせ
CNC制御サーボモーターによるプラットフォーム駆動などにより、安定した貼り合わせと繰り返しの精度を実現する設計となっている。
・アクリルグッズ量産の省人化
印刷後の貼り合わせや後加工工程を機械化することで、作業者への依存を減らし、より安定した生産環境の構築を支援。
YHD-500スペシャルサイト https://nkl-480.parachute-web.com/
2026年8月27日
佐川印刷(愛媛県松山市) 地域循環型CO₂削減モデル構築へ 家具や什器の段ボールを活用

佐川印刷(佐川正純社長、愛媛県松山市)は、愛媛県が公募した「令和8年度愛媛県ゼロカーボン・ビジネスモデル創出事業」に企画提案が採択され、実施事業者に選定された。段ボールを活用した県内循環型のCO₂削減ビジネスモデルの構築に取り組み、地域の脱炭素化とものづくり産業の活性化を目指す。
同事業では、従来プラスチックやスチールなどで製造されてきた家具・什器・掲示物などを段ボールへ転換し、CO₂排出量の削減を図る。段ボールを梱包用途だけでなく、家具・什器・展示物などへ展開するための企画・設計・試作を行う。同時に、段ボール素材の開発から製造、販売、回収・リサイクルまでを愛媛県内で完結させる循環型ビジネスモデルの実現可能性を実証する。
同社は、長年培ってきたデザイン、立体設計、デジタル印刷、加工・試作技術を活用。梱包・物流・保管などで利用されてきた段ボールの可能性を広げ「カートン・ファニチャー」などへの用途拡大を目指す。
段ボールは古紙を原料として再び段ボールへ戻すリサイクルが定着しており、資源循環に適した素材。同社では、これを活用して脱炭素と地域産業の活性化を両立する新たなビジネスモデルの構築を進める。
同社は2026年4月に「未来を創るためのゼロカーボン宣言」を制定し、「えひめゼロカーボン・チャレンジ企業」の認定を受けた。ISO14001自己適合宣言やグリーンプリンティング工場認定のほか、太陽光発電設備、電気自動車・ハイブリッド車、バイオディーゼル燃料の導入など、環境負荷低減にも継続的に取り組んでいる。
佐川央晃常務取締役は、「『紙に印刷する会社』から『地域の未来をデザインする会社』へ」との考えを示し、印刷技術や設計力を生かした新規事業として「カートン・ファニチャー」構想を進めてきたと説明。愛媛グローカル・フロンティア・プログラム( EGF)で優秀賞を受賞したビジネスプランを今回、実証できることへの期待を示した。佐川常務は「私たちが目指しているのは、段ボール製品を作ることではなく、『ビジネスモデルの中でCO₂削減につながる仕組み』を地域につくることである。素材の開発から設計、製造、回収、リサイクルまでを県内で循環させることで、脱炭素と地域産業の活性化を両立する新しいビジネスモデルに挑戦する」と話している。
今後は事業の進捗や成果を公表するとともに、成果報告会や展示・イベントを通じて県内企業への横展開を進める。
2026年8月20日
ナフサ供給不安で自治体に支援の動き 紙など代替素材への転換を後押し
中東情勢の緊迫化によるナフサ高騰や供給不安を背景に、プラスチック容器包装の代替素材への転換を後押しする自治体の支援制度が注目を集めている。紙など非ナフサ由来素材への切替えや、包装自体を減らす販売形態への転換を支援するもので、今後、同様の動きが広がる可能性がある。
兵庫県は、プラスチック包装の削減を支援する事業を開始した。県内で食料品を包装し提供する小売業者などを対象に、従来のプラスチック容器包装を、紙や木材、生分解性プラスチックなど非ナフサ由来素材へ切り替える際のコスト差額を、上限100万円まで補助する。 また、福岡県でも石油由来プラスチックの使用を減らすことのできる先進的なプラスチック代替製品の開発を支援する補助事業を実施している。
対象は県内の中小企業で、自ら製品企画・設計を行う者であることなど。採択予定数は年2件。補助率2分の1、上限500万円(年間)まで補助する。補助期間は最長2年間。
こうした自治体の支援制度は全国的には少ないものの、転換・実用化から研究・技術開発まで広がりを見せている。中東情勢の先行きが不透明な中、資材調達リスクへの備えは企業経営上の重要課題となっており、供給リスク対策と環境対応を両立する自治体の支援策は今後、波及する可能性がある。
2026年8月6日
ペーパーサミットジャパン2026 4,125名が来場 販売も好調、出展者に手ごたえ

ペーパーサミットジャパン2026(主催・全日本印刷工業組合連合会、日本洋紙板紙卸商業組合)が7月24日・25日に東京・港区の都立産業貿易センター浜松町館3階で開催され、初日が2737人、2日目が1388人、計4125人の来場者で賑わった。印刷加工会社・紙卸商・関連団体の出展があった会場には隙間なく100を超えるブースが並び、来場者への説明やオリジナル商品の販売などに忙しかった。6つのトークセッションもほぼ満員となり、学びの場としても有益な情報を提供した。
7月24日9時30分から展示室内で行われた開会式には、主催の全印工連から瀬田章弘会長、日紙商から清家義雄理事長、協力した日本製紙連合会の小川恒弘顧問、同時開催された「MUD FAIR 2026」の主催者を代表してメディア・ユニバーサル・デザイン協会の浦久保康裕理事長が登壇した。
あいさつした瀬田会長は、百万塔陀羅尼やグーテンベルクの活版印刷術など紙にまつわる歴史に触れ、人類が発明した偉大な紙の功績を紹介したあと、「ところがデジタル革命が起こり、どうしてもデジタルの方に注目が行ってしまい、紙がなおざりにされている感じがして残念だ。デジタルの良さもあるが、やはり紙は人々の暮らしを彩り、心を豊かにするもの。これをしっかり社会につなぐのが、紙業界、印刷業界の使命だと思っている。ぜひこの2日間、多くの人に皆さんの思いを伝えていただき、希望ある未来を一緒に拓いていきたい」と述べた。
10時の開場からほどなく一般の来場者が詰めかけ、午前中から熱気があふれた。多くのブースが展示だけでなく、自社商品の販売を行っており、買物を楽しむ風景が“祭”や“縁日”のムードを醸し出していた。
出展者も、「予想以上の数に驚いている」「初開催だが大成功と言えるのではないか」「商品の売れ行きがいい」「紙の人気の大きさに気持ちが明るくなる」など、多くが好感触を得ていた。
今回、主催者側では、メディアへの情報発信や学校への案内に力を入れたほか、後援の東京都、経済産業省、日印産連なども周知に協力した効果が表れたようだ。
夏休みということもあり、家族づれや友人同士での来場が多く、外国人の姿も見られた。紙製品の魅力に世代や国境は関係ない。入場は無料で、気軽に遊びに来られる雰囲気もある。
出展内容は、ペーパーサミットジャパンに合わせて新商品を用意した会社、日頃の販売商品を並べた会社、地元でのイベント出展で磨いてきた商品を持ち込んだ会社などさまざま。また、印刷工業組合単位での出展も多かった。複数の会社が連携し、地域の特色を前面に出した取組みが効果的だった。
24日の夕刻には、小池百合子東京都知事が視察に訪れた。
会場のつくりは、入場口からまず「紙わざ大賞」(主催・特種東海製紙)の受賞作品コーナーを通り、MUDコンペティションの受賞作品や啓発パネル展示などの「メディア・ユニバーサル・デザイン」のコーナーへ。そこからブース展示に一気に広がる動線だった。日印産連の造本装幀コンクールなどの受賞作品展示のほか、子どもたちを楽しませる「紙のプール」「紙遊び体験」「紙芝居」など、手を動かし、体で感じる広場も人気だった。広場に敷いたのは紙から作られた人工芝。会場のパネル展示の衝立も紙製にするなど、紙一色の設営だった。
今回のペーパーサミットジャパンは、大阪府印刷工業組合が2022年から開催し、毎年2000人以上の来場者を集める「ペーパーサミット」を下敷きに、その全国版へと発展させた。全印工連では昨年度、「紙育実行委員会」を発足させ、準備を進めてきた。
2026年7月23日
関東甲信越静県印工組 BCP広域連携検討へ 相互支援体制の必要を共有

関東甲信越静地区印刷協議会(依田訓彦会長)は、7月10日に埼玉県熊谷市で開催した「第73回年次大会 in 埼玉」の理事長会で、大規模災害に備えたBCP(事業継続計画)の広域連携について協議した。南海トラフ地震や富士山噴火などの広域災害を見据え、関東甲信越静10県印刷工業組合による相互支援体制の構築に向け、今後検討を進めていく方針を確認した。
議論では、南海トラフ地震や富士山噴火への備えの重要性が話題となった。出席した理事長の一人は「富士山噴火は今後必ず起こる災害である。火山灰の影響で東京の印刷産業は大きな打撃を受ける可能性があり、BCPは不可欠ではないか」と危機感を示した。
首都圏では数センチ程度の降灰でも交通網や物流の機能低下、停電などが発生する恐れがある。印刷工場でも設備停止や資材供給の停滞によって生産活動が大きく制約される可能性があることから、被災地域外の企業が生産を補完できる広域的な相互支援体制の必要性が共有された。
これに対し、全印工連の瀬田章弘会長は、能登半島地震を契機に石川県印工組と富山県印工組がBCP協定を締結し、災害時の相互支援体制を構築していることを紹介。「災害時は、ある程度近隣で相互に補完できる体制の方が機能しやすい」とした上で、「この取組みを参考に、関東甲信越静10県での広域連携も検討できるのではないか」との考えを示した。
災害時の情報共有には、全印工連の組合員向け情報プラットフォーム「J-CONNECT」の活用も視野に入れる。同システムは県別や地域別にグループを設定できることから、平時の情報共有に加え、災害発生時には被災状況の把握や支援要請など、組合員同士の連携手段としても活用が期待される。
また、全印工連では災害発生時の初動体制も整備している。震度5強以上の地震が発生した場合には、本部から直ちに各都道府県印工組へ連絡し、被災状況を確認。概ね翌日までには会長および三役へ報告が集約され、必要に応じて近隣組合との連携や支援活動を迅速に開始できる体制を構築している。
理事長会では、石川・富山両県印工組の取組みをモデルケースとして、関東甲信越静地区における広域BCPの具体的な連携方法や運用体制について検討を進めていくことを確認した。
2026年7月9日
パラシュート POホットメルト接着剤「PO-Gen2」の販売強化 国内生産で安定供給
パラシュート(兵藤伊織社長、東京都世田谷区)は、無線綴じ製本向けポリオレフィン系ホットメルト接着剤「PO-Gen2」について国内生産による安定供給体制を確立した。これに伴い、7月1日から国内製本市場に向け特設サイト(https://po-nori.com/)などで販売を強化している。
PO-Gen2は、市場環境に対応するために開発された製本用ホットメルト接着剤であり、国内生産による安定供給体制と優れた現場適応性を両立している。
出版市場では初版部数の減少や重版の小ロット化が進み、オンデマンド印刷機を活用した短納期生産が一般化している。その中で製本工程に求められるのは、「短時間で安定稼働できること」「機械停止時のトラブルが少ないこと」「清掃やメンテナンス負荷を抑えられること」「多様な用紙へ安定した接着ができること」など。PO-Gen2はこれらの課題に対応し、デジタル印刷向け製本ラインとの親和性を高めている。
また、近年は海外調達品を中心に納期遅延や価格変動が発生している。これに対してもPO-Gen2は国内生産体制を採用することで安定供給を実現。常に数トン以上の在庫を確保しており、印刷会社・製本会社にとって重要な「必要な時に確実に入手できる国産接着剤」として、生産計画の安定化に貢献する。
製本業界ではEVAホットメルト、PURホットメルト、POホットメルトが用途に応じて使い分けられている。
PURは高い接着性能を持つ一方で設備投資や運用コストが課題となるケースがある。
コストと品質のバランスを追求する製品
PO-Gen2は、「EVA糊より消費量を抑えられる」「炭化しにくい」「糸引きが少ない」「清掃負荷を軽減できる」「ニオイがない」といった特長を備えており、現場オペレータからも高い評価を得ている。既存設備を活用しながら高い接着性能と作業性を実現することで、コストと品質のバランスを重視する印刷会社・製本会社の選択肢となる。
特に少人数運営の印刷会社や製本会社では、機械メンテナンス時間の削減が生産性向上に直結するため、「現場で使いやすい接着剤」であることが大きなメリットとなる。
また、昨今のEVAホットメルトの価格高騰により、POホットメルト価格帯と近づいてきたため、ユーザーの手が届きやすい商品となってきている。
同社では、単に接着性能だけでなく、日常運用のしやすさを重視して製品の選定・供給を行っている。